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時計のケースの修理依頼が来ました。
ケースの素材はプラチナ・・・裏蓋に「PLATINUM」の刻印がありました。
ただ、刻印の形やケースの作りから、かなり古い物だと思われました。

こうした品物の場合、プラチナ用のロー材は使いたくありません・・・。
現代の品物であれば、ロー材はプラチナ用の溶ける温度が高い物を使っている場合が多いのですが、品物が古い時代の場合はどんなロー材が使われているのか判りません。
そこで、今回はプラチナロー材でも使うホワイトゴールド用を使って修理する事にしました。

ところが・・・
外れた部分を見ると、何とケース本体にロー付けの跡が見えます。
しかも、都合の悪い事にパーツが外れた部分・・・。

現在ならケースはキャスト(鋳造)で作り、ベルトの繋ぎ部分をロー付けする方法が採られると思いますが、この品物は板状のプラチナ板を丸くしてロー付けをし、それを削りだしてケースが作られているようでした。
不用意に熱を加えると、ケースのローが溶けて外れてしまう可能性が考えられたので、ホワイトゴールド用ローは使うのを止めました・・・。

そこで、一旦補強の為に、Tig溶接で「点状」に溶接。
万が一、熱を加えた際にローが溶けて外れるのを防ぐ役目です。

そして、ベルトを繋ぐ足をロー付け。
ロー材は、K14ゴールド用・・・溶ける温度が低い物です。
シッカリとローが流れれば、これでも十分強度は保てるものです。

そして、全体を仕上げて、K14ロー材の色を消す為にロジウムメッキ。

これで出来上がりです。

それにしても、ロー材は何用が使われていたのか?
メッキをしても、オリジナルのロー材の部分にはメッキが乗らず、黒く変色してしまいました・・・。
この部分は、少し磨いた程度にして、お客様にこの事を伝えてお渡ししましたが・・・。

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