サイズ直しの手順
Posted by yoshitomi under ジュエリー修理・リペア | Permalink | | Leave A Comment | サイズ直しの手順 はコメントを受け付けていません
今回はリングのサイズ直しの手順をご紹介します。
基本的な手順は同じなのですが、リングのデザインや構造によって方法が変わる場合もあります。
まず、サイズ直しをする一番最初ですが、洗浄をします。
当店でサイズ直しをする品物の7割位はご使用されたリングなので、あちこちが汚れています。
リングのサイズ直しをする際には必ずロウ付け作業が入りますので、バーナーで熱を加えてロウ材を溶かし込む必要があります。汚れは皮脂や衣類の欠片なので、焼けてしまうと超音波洗浄機では取れなくなる程になります。そこで、一番最初に行うのが洗浄です。
超音波洗浄機で簡単に取れてくれる汚れだと良いのですが・・・中には裏側にビッシリと汚れが詰まってしまい、薬品で溶かしつつ洗浄機で洗浄、これを繰り返して清掃しなければならない物もあります・・・。(汚れが酷い品物は、裏側をお見せ出来ない程です・・・)
洗浄が終わったら、リング内側の刻印を確認します。通常は刻印の無い部分でカットしますが、刻印がビッシリと入っている品物は、刻印部分でカットしなければならない品物もあります。(刻印部分でカットした際は、修理後に打ち直しをします)
また、今回のように一度サイズ直しをされた痕がある品物の場合は、その場所でカットします。適当にカットすると、ロウ付け箇所が複数出来てしまいますから。
また、品位の低いロウ材が使われていたりしますと、ロウ材が変色している場合があります。この場合は、一か所でカットするのでは無く、ロウ材を取り除くように部分カットします。
リングをカットしたら、挟み込む地金を用意して、そこに差込み、ロウ材を追加し、バーナーで熱を加えてロウ材を隙間に流し込みます。
ロウ付けが終わったら、リング内側を削り、心金(テーパー状の鉄製棒)に挿し込んで指定されたサイズに整形します。
サイズ出しが終わったら、表、横面をヤスリで整形、サンドペーパー掛け、バフ掛け(磨き)をして完成になります。
判りにくくはなりますが、ロウ目(ロウ材を使った合わせ目)は必ず出来てしまいますので、ご理解下さい。
(画像は画像処理でコントラストを上げています。肉眼では継ぎ目は殆ど判りません。)
ご依頼を有難うございました。
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