当店のオリジナル商品として、

「ピルケースペンダント」

があります。
今回は、この品物の製造過程を少しですがご紹介致します。

この商品、一番初めに作り始めてからもう50個以上もお客様へ納品している当店の定番商品です。
形としまして、
「先が平たいタイプ」
「尖っている砲弾型タイプ」
「先が丸いタイプ」
の3種類あります。

当初は、一つ一つ板を曲げてパイプを作り、ソレをプレス機で押して丸いパイプを作っていました。
ですが、手間が掛かります。
そこで、地金の専門業者へお願いをして、パイプを作ってもらっていた事もありました。
ただ、やはり特殊な物ですので、パイプだけを作るのにコストがかかってしまいます。
そこで、試行錯誤した結果、現在ではロストワックス法と言う「鋳造」でパイプを作っています。

この方法では、こうした部品を作る際に良く行われるのが、ゴムで型を取る事が多いのですが、それでは丸いパイプは作れません。
当店では、以前ココで紹介させて頂いた「旋盤」と言う工作機械で円筒のワックスからパイプを削りだして鋳造用のワックスを作っています。

今回注文いただいたこの品物は、プラチナ製でした。
プラチナの場合は、K18と比べて神経を使います。
何故か?
それは、素材が柔らかいからです。
ネジを切るのに旋盤を使います。
通常お使いの際には問題ありませんが、この旋盤に取り付ける際にはある程度の締め付ける力が必要になります。
この時に、締め付けすぎてパイプが歪んでしまうのです。

ネジを切り終わり、部品をある程度ロー付けして形が出来上がってきたら、一度パッキンを取り付けて水漏れの検査を行います。
この時、瞬間湯沸かし器の最高温度の設定(恐らく75度前後)でお湯を出し、ソコに漬けて泡が出てこないか検査をします。
お湯の温度が高ければ、ピルケース内の内圧が高くなり少しの傷やパッキンズレで水漏れの原因となる泡が発生し、傷などの箇所が判りやすいのでこの検査を行っています。

この検査の後、仕上げをしてお客様のお手元へ届けられるのです