今月6月の土曜営業日は6月13日です。
ご利用をお待ちしております。

今回のご紹介は、IWCポルシェデザインの時計、クロノグラフのチタンベルトの修理です。

(注:現在の修理は、Tig溶接ではなくオリジナルと同じロー付けに変更しております)

これまで時計ベルトの修理で持ち込まれた事があるのは、ロレックスのK18ゴールドのベルト駒の修理が殆どでした。
ところが、今回の修理の素材はチタン。

このブログ内で、私の子供のチタン製メガネフレームの修理を紹介した事がありましたが、その日記をご覧になって当店にお越しになりました。

さて、チタン製ベルトですが、基本的にロー付け修理が出来ません。
チタンもロー付けが出来ますが、バーナーの熱を加えると酸化しやすい素材で、短時間で溶接する事が鍵となります。
このベルトも一度修理されたようですが、修理した職人が仕事を止めてしまっていたので、修理を依頼するところが無く当店に依頼されたという経緯でした。

ロー付けが出来ませんので、どのように修理しようか思案しましたが、壊れた部分がベルト金具の蝶番・・・重要な部分です。
ロー付けをして脆くなってしまってはいけませんので、別のチタン板でパイプとベロが繋がった物を作り、ベルト金具に穴を開けてリベット止めの方法を考えました。
ただ、オリジナルのベルトに穴を開けるのも勿体無いので、一度オリジナル部品を溶接し、もしその方法で修理が出来なければベロ金具を作って穴を開ける事にしました。

溶接も、Tig溶接です。
この溶接方法は、チタン素材との相性が良く、良い具合に溶接が出来ました。

溶接部にカーボンの後が黒く残ってしまいましたが、コレを削ってしまうと、チタンにコーティングされた色が剥がれてしまうので、このままとさせて頂きました。

パイプの中までシッカリ溶け込んでいましたので、かなり長く使って頂けると思います。
なによりも、代用部品で穴を開けずに、オリジナルの部品で修理が出来た事が一番良かった・・・と、ホッとしました。

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