Archive for 11月, 2019

シルバーリングのサイズ直しのご依頼を頂きました。
サイズが大きいので3号程小さくとのご希望です。

ところが、この品物の場合にはロウ付けが出来ません。
シルバーリングはリングに石などが入っている場合には石を外す必要があります。その理由ですが、シルバーの場合は品物全体が温まらないとロウ材がカットした面に流れてくれないからなのです。

今回の品物は、ショパール風のリングにガラスがはめ込まれている物で、そのガラスは外す事が出来ません。
サイズが大きいのでこのままでは使えず、どうにかしてサイズを小さくして欲しいとのご希望で、ある方法でサイズを小さくしてみました。

その方法ですが、リングの中に薄い板を接着する方法。苦肉の策です・・・。

ロウ付けが出来無いシルバーリングのサイズ直し

リング断面が丸い形状をしていますので、板もそれに合わせて雨樋のように板を曲げてリングに沿う形状にします。そして、板金修理用の接着剤でガッチリ固定。接着面が少し見えますが、僅かですので殆ど気になりません。

ロウ付けが出来無いシルバーリングのサイズ直し

今回はサイズが3号小さくでしたのでこの方法がとれましたが、これが2号以下だと中に差し込む板が薄くなりすぎて出来ません。
逆に5号以上だと板が厚過ぎて嵌め心地が悪くなるので、出来る場合と出来ない場合がありますね・・・。

ご依頼を有難うございました。

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今年の6月に当日記(ブログ)内で

「実は難しい指輪のサイズ」

というログを掲載しました。

今回はこの第二段のお話をご紹介します。

先日の事です。
リングが変形をしてしまわれたお客様のご依頼を頂きました。
そのリングサイズは3号。
変形修理は無事に済んでお渡しも出来たのですが・・・。

そのご依頼の際に、サイズを測って頂こうと当店のリングゲージをお渡しして測って頂きました。その際、5号でもキツかったのです。

今回の事例は、恐らくリング内側の形状にあるものと思われます。
その形状なのですが、下の画像をご覧下さい。

リングと指の接触面

矢印側がリングの内側(指側)、反対側は表になります。
内側が平らな物、角を斜めや丸くカットされている面取りタイプの物、甲丸状に丸く削られている内甲丸タイプの物、多くはこの3タイプに分けられます。
矢印方向に指が当たるのですが、接触する面積が違います。一番狭いのは内甲丸で面と言うよりは線で接触するようなイメージになります。
この為に、指に当たる抵抗が変わり、同サイズでもキツかったり緩かったりするのです。
また、リングの幅でも指に接触する面積が変わるので、幅が5mmを超えるリングの場合はサイズが1号程アップになる場合が多くあります。

そしてリングの形状、上から見た時にU字やS字などカーブをしているリングの場合は少しずつズレながら引っかかるので、直線の品物より抵抗が少なくなりすんなり入ってしまう場合があります。(多くの場合で引っかかるのは指に節になります)

リング形状による抵抗

このようにリング形状や幅でもサイズが変わってしまいます。
結論としてどこかのサイズで妥協をして頂く事になります。

実はリングサイズを合わせるのは大変難しいのです・・・というお話でした。

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シルバー製のジッポーライターケースの修理のご依頼を頂きました。
蓋を締めた際にケースに隙間が空くのを修正して欲しいとのご希望です。

シルバー製ジッポーライターケースの修理

 

現状でコレ位の隙間が空いています。

シルバー製ジッポーライターケースの修理

 

まず、蝶番部分を外してみます。蝶番部分の修正をすれば隙間は埋まると思ったのですが・・・
アレレ・・・?ケースが斜めってる・・・。

シルバー製ジッポーライターケースの修理 ケースの歪み

 

反対側は、ちゃんと真っ直ぐなのに・・・。

シルバー製ジッポーライターケースの修理

 

これは困りました・・・。よく観察してみると、ケース全体が微妙に歪んでいるのです。ケースの中にサイズを合わせて削った木材を入れて修正をしてみましたが、完全に歪みは取れません。作られた時に歪んだまま組み上げたのが原因かと思われます。
お客様にこの事をお伝えして、完全に修正が出来ない可能性もあると連絡を入れて作業を再開。

ケースを少し削っては噛み合わせを見て、再度削っては様子を見る・・・。コレを繰り返してここまで修正をしました。前面にモチーフプレートがロウ付けされているのですが、片方を削り過ぎるとプレートが斜めに取り付けられているように見えてしまうので、ケースの傾きは完全に治せませんでしたがここでキリを付けました。

シルバー製ジッポーライターケースの修理 歪み修正

 

蝶番のパイプを取付ける作業に移ります。テープで上下を固定してパイプの溝を削っていきます。今回はケース横幅いっぱいまで蝶番部分を広げ、三分割タイプにします。

シルバー製ジッポーライターケースの修理

 

そして、蝶番のパイプをロウ付け。

シルバー製ジッポーライターケースの修理 蝶番パイプのロウ付け

 

全体を磨き、黒染めをした後に蝶番パイプの中に芯を通してカシメて出来上がりになります。

シルバー製ジッポーライターケースの修理

 

歪みが判った時には焦りましたが、噛み合わせは直せました。
ご依頼を有難うございました。

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年内納期のジュエリーオーダー、ジュエリーリフォームに関しまして、今月11月29日(金)にて締め切りをさせて頂きます。
以降にご依頼を頂きました品物のお渡しは、来年となります。
また、クロムハーツ等のクリップのバネ交換、IWCポルシェデザイン時計のベルトバックルのロー付け修理も、同じ日程にて締め切りをさせて頂きます。

リングのサイズ直し、ネックレス等のチェーン切れなどの修理は、年内ギリギリまで対応致します。

尚、品物の形状や構造、パーツ取り寄せなど、これらの要因で修理の場合でも年内のお渡しが出来ない場合もございます。

宜しくお願い致します。

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薬入れの修理のご依頼を頂きました。

三段重ねになっている薬入れですが、落としてしまい気づいた時には車に踏まれたようでペシャンコに・・・。大変気に入っている品物なので、何とか修理をして欲しいとご依頼を頂きました。

車に踏まれた薬入れの修理

 

本体もペシャンコですが、飾りのヒョウタンもダメージが・・・。本体も修理が大変ですが、こちらは丸みを再現しなければいけないので、完全修復は難しいですね・・・。

車に踏まれた薬入れの修理

 

まず、紐を全て外します。そして、ロウ付けがされている箇所があるので、一度金属の成分分析をします。すると、銀だと思っていた素材は「洋白」という素材でした。明治頃でしょうか、良く使われた素材だと聞いています。特性としては銀と大きくは変わりませんので、銀ロウでロウ付けをして修理が出来ます。

車に踏まれた薬入れの修理

 

一度バーナーの熱を加えて地金を柔らかくし、内部に当て金を挿し込んで外からプラスチックハンマーで慎重に叩いて膨らみを出していきます。
ヒョウタンは、先端が丸い「ヤボウズ」と言う道具で丸みを叩きだして整形をし、割れた所はロウ付けをして修理をします。

こうして、何とか使用には耐えられる程度まで修復が出来ました。残念ながら完璧な姿には戻りませんでしたが・・・。幸いだったのが、地金の表面に傷が少なくて模様彫りは綺麗だった事ですね。

車に踏まれた薬入れの修理

 

重ね合わせも大丈夫です。
ご依頼を有難うございました。

車に踏まれた薬入れの修理

 

 

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