「リングのボリュームを小さくして欲しい」

お客様から、そうご要望を頂きました。
リングを拝見したところ・・・それは出来ません。
リングが問題では無く、ダイヤが問題だったのです。
リングはPt900素材のリングですが、そこに入れてあったのはミステリアスカットのダイヤだったのです。

ミステリアスカットダイヤ

このダイヤ、リングを見るとツルンとして爪がありません。
爪が特殊な構造になっています。
ダイヤのガードルの下の部分に溝が彫ってあるのです。
見辛いかもしれませんが、矢印の部分。

ミステリアスカットダイヤ

リング側には薄い板状の爪が作ってあり、上から抑え込むとこの爪がダイヤの溝に引っ掛かって留まるようになっています。

実はこのダイヤカット、職人泣かせの構造なのです。
石が落ちてしまったと、当店にも数多く石合わせの修理が持ち込まれてきました。
ところが、このミステリアスカットダイヤはダイヤ単体として売られていません。
なので、石合わせが不可能。
しかも、大抵が角ダイヤ(プリンセスカットなど)なので、そもそも大きさをピッタリと合わせるのにも苦労します。
ミステリアスカットの石(ダイヤ以外でもルビーやサファイヤなどがあります)の石合わせの場合、四角い石を探して接着材での接着での対応となります。

こんなリングを削ってボリュームを落とすなど、ダイヤを脱落させるようなものなのです。
そこで、申し訳なかったですがお断りをしました。
ただ、どちらにしても使えない、しかも旦那様との思い出の品だという事なので、リフォームをして形を変える事となりました。

今回は、リングからリングではなく、ペンダントへ。
ダイヤを円形に配置するデザインに決まりました。
図面上でダイヤを配置し、円の大きさを決めます。
今回はワックスで土台を作りました。
キャスト(鋳造)後、ダイヤを置いて様子を見ますが、ピッタリと決まりませんので少しずつ削りながら合わせていきます。
そして、外の爪をロー付け。
爪が出来たら石留めです。

ミステリアスカットダイヤ

爪は内側をレール留め、外側を爪留めにしました。
両方レールでも良かったのですが、デザインは円、ダイヤは四角なので、外側に向かって三角の隙間が出来ます。
その隙間の部分に爪を配置する事で、隙間を埋める事にしたのです。

最後に磨いて完成。

ミステリアスカットダイヤペンダント

裏側にループ状のペンダント環を二カ所取り付けて、この部分にネックレスと通すようにしました。

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