余り見かけない品物の修理のご依頼を頂きました。
シルバー製のキセル修理です。

キセルってご存知でしょうか?
今はタバコと言えば紙で巻いた紙タバコを指しますが、以前はパイプの先にタバコを詰めて楽しむキセルと言う道具が使われていました。

シルバー製キセル

 

キセルにも色んな素材がありますが、今回の品物は全部がシルバーで出来た品物です。
タバコを入れる雁首(火皿)の根本にヒビが入ってしまっています。
今回はココを修理します。

シルバー製キセルの修理

 

前回の日記でも紹介しましたが、最初に品物を洗浄します。
今回の品物はキセルですので、タバコのヤニが全体に回っています。
修理はロウ付けをしますが、ヤニやその油でロウ材の流れが阻害されてしまわないように、修理箇所周辺をよく洗浄します。

そして、ロウ付けをしますが、合わせ目はかなり板厚が薄くなっていたので、周辺を削って厚みを確保したあとにシルバーの板を差し込んでロウ付けをしました。
また、タバコを吸う時には雁首周辺は高温になります。
ロウ材も出来れば溶ける温度が高い物を使いたいのですが、どうやらこの品物は左右半分ずつ作ったのちにロウ付けされているようなので、やたらに高温のロウ材も使えません。修理している内に本体のロウ材が溶け始めてしまうから。
そこで、今回は五分ロウを使う事にしました。

ロウ付け後は、ロウ付け周辺を削り、仕上げ磨きをすれば完成です。

シルバー製キセルの修理

 

シルバー製品は黒染めをする事が多いのですが、今回はしていません。
黒染めをする際の液(薬品類)は硫化によって黒く染めているものが殆どなので、タバコを吸う時に身体に影響を及ぼす可能性があると考えました。
そこで、今回は黒染めせずそのままお渡しをしました。

ご依頼を有難うございました。

シルバー製キセルの修理

 

 

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