サイズ直し兼修理のご依頼を頂きました。
リングが指から抜けなくなり、ペンチ等でカットされたリングです。

コンビネーションリングのサイズ直し

 

ペンチなどでカットされていても、通常はサイズ直しと作業内容は変わりないので大丈夫です。
ただ、今回の場合は、プラチナがベース素材で中央部分にK18YGがぐるりと全周にわたって入るデザインのコンビネーションリング。
ジュエリーでは当たり前のように使われる素材同士ですが、こうしたデザインのリングはサイズ直しが一気に難しくなります。

プラチナとゴールドは、素材が違う事はお分かりかと思います。
素材が違いますので、溶ける温度も違います。ゴールドの方が溶ける温度が低く、プラチナの方が高い。
ですので、サイズ直しで使用するロウ材(プラチナやゴールドの合金)は低い温度のゴールドに合わせなければいけません。プラチナのロウ材を使うと、作業が終わる前にゴールドの方が先に溶けてドロドロになってしまいますから。

そして、もう一つ厄介なのが、熱膨張。
道路の頭上に電線が張ってあるのを見かけますが、夏になると電線が垂れ下がり、冬になるとピンッと張っているのを見た事がありますでしょうか? 金属も温度によって伸びたり縮んだりします。
プラチナとゴールドにも同じ事が起こります。ロウ付けの際にバーナーで熱を加えて接合部にロウ材を流し込んでくっ付けますが、この時も素材が伸びます。
この素材が伸びる時に、プラチナとゴールドの膨張率が違うの最悪の場合はそれぞれがバラバラに外れてしまうのです。
今回のご依頼品のように全周に渡り異種素材が使われていると、そうした事がより起こりやすくなるのです。

今回も、上記の事をお伝えして、ご依頼を受けました。
ちなみに、バラバラになった場合の補償はございません。(作業代も頂けませんが・・・)

通常通りのサイズ直しで、ロウ材はゴールドに合わせて金ロウを使います。
今回の場合は、何とか接合出来ました。(こうした全周異種素材のリング、今は撤退してしまいましたがC社のリングはバラバラになる事が多いですね・・・)

コンビネーションリングのサイズ直し

 

ロウ付けが出来てもサイズ出しの際に芯金と呼ぶテーパー状の金属棒に入れて、叩いて新円を出すまでは気が抜けません。
たまに、ロウ付け箇所が割れえしまう事がありますから・・・。
今回は、無事にロウ付け、サイズ出しが完了♪

整形をして、中央部分のK18のデザインに合わせて線を入れて磨きます。
これで完成。

ご依頼を有難うございました。

コンビネーションリングのサイズ直し

 

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