今月3月の土曜営業日は、第2週目の10日です。
ご利用ください。

尚、細かなことですが、当日の店番は私一人になります。
お客様のご来店が重なった場合にはお待ちして頂く事になりますので、ご来店予定がありますお客様は事前にご来店時間をお知らせ頂けると助かります。
また、修理で来店されるお客様には、この限りではありません。
宜しくお願い致します。


私もこの仕事を始めてこの春で22年目に入ります。
ジュエリー製品だけで無く色んな仕事をしてきましたが、先日は「バイオリンの弓の金具の修理」を初めてさせて頂きました。


今回のご依頼は、バイオリンの弓の部品に使われている金具を作ってくださいと言う事でした。
拝見しますと、部品は何と「べっ甲」
ご存じと思いますが、べっ甲とはタイマイと言う大型のウミガメの甲羅を利用した工芸品のことです。
現在ではワシントン条約で輸入など取引が禁止されているので、新しい素材は手に入りません。(現在加工販売されている品物は、禁止前に輸入された甲羅で作られているモノです)
そんな素材が使われている弓です・・・当然高価な弓でしょ
う・・・。
通常は、木材が使われているそうです。

その部品に取り付ける金具ですが、べっ甲は当然金属より柔らかい素材なので、慎重に形を合わせて作っていきます。

形や細工自体はそんなに難しいモノではありませんが、取り付ける部分が既に割れて補修されてもいましたので、更に慎重に形合わせをして作っていきます。
通常のジュエリー製品は外側に刻印を打ちますが、今回は装飾などの邪魔にならないように中に刻印をしました。
また、金具を留める際にはくさびを入れて固定するそうなので、内部を磨きにすると滑ってしまいます。
そこで、摩擦抵抗が大きくなるように内部は横方向へサンドペーパー仕上げにしました。

お持ち頂いた壊れた金具を見本にしか出来ない為、寸法をどう取れば良いか迷いましたが、内寸と板の厚みを重視してべっ甲に負担の無いように致しました。

金シャチ同様、なかなかこうした仕事は携わる機会がありませんが、この修理された弓が何処かの演奏会で使われるのだと思うと、嬉しくなりますね。

お問い合わせはこちらから

当店Homeへ戻る