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今日は、Pt1000の刻印が印字された品物についての事例です。
この品物につきまして、修理が出来ない場合があります。

Pt1000・・・この刻印があれば、殆どの方が「純プラチナ」と思うに間違い無いでしょう。
純プラチナと言う肩書きがあれば、混ぜ物が一切無い「無垢」の素材と思ってしまうので惹かれてる方も多いと思います。
ところが、国内の基準(造幣局)ではほんの僅かながら別の素材を混ぜてもPt1000と刻印が出来てしまうのです。
純プラチナと言う素材は、純金(K24)と同じく柔らかい素材です。
その柔らかい素材を普段使いできるように別の素材を混ぜて作られた素材が、Pt950やPt900、K18と言った素材になります。
海外ではPt1000と印字した場合には、混ぜ物は出来ない基準となっていますがどう言う訳か日本では出来てしまいます。
このほんの僅かに混ぜられた素材が、修理の時に厄介者になってしまうのです。

Pt1000には2つの処理があります。
1つ目は、Pt900などと同じように中に混ぜてしまう方法。
2つ目は、表面に処理をする方法。

1つ目の混ぜてしまう処理をされた品物の場合、熱をかけて修理すると割れてしまう場合があります。

どう言う事で割れてしまうのかは解りませんが、バーナーなどで熱を加えて修理する場合に熱膨張の際に分子レベルの結合が弱くなってしまうものと思われます。

また、表面処理をされた品物の場合、熱をかけるとプラチナ素材ではあり得ない低温度(K18と同じ位の温度)で溶けてしまうのです・・・それも、一瞬の内にドロッと。(まるで、K18素材をプラチナの感覚で修理してるような感じです)

このような事例ばかりでは無く、ごく普通に修理出来る品物もありますが、「Pt1000」と刻印されたものだけで他に区別する刻印などがありません。
職人の目からみると、リングなどを切る際、曲げる際などにPt1000とは思えない程に非常に堅い素材だと言う程度なので、一般の方には全く判らないでしょう。

こうした事から、「Pt1000」と刻印された品物につきましては修理をお断りする場合もございます。
申し訳ございませんが、ご理解を頂きたいと思います。

それよりも、このような素材を作る事自体、またこのような素材に「Pt1000」と印字できるような規格自体がおかしいと思うのですが・・・。

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