リングオーダーを頂きました。デザインは横長の印台で、エッジは丸く。
サイズは、ピンキーサイズの1.5号です。

リング素材はシルバー925、印台の上面にK18YGの板を貼ったデザインです。シルバーリング部は、他のお客様のご依頼分と一緒にキャスト(鋳造)で作ります。
ワックス樹脂で形を作り、石膏に埋没してキャスト。

ピンキーサイズのリング作り ワックス樹脂型

キャスト後、まずは表面を一めくりして、一度下磨きをしました。
ところが・・・地金の一部に小さいキャスト傷が・・・。僅かな傷なんですが、
ゴールドやプラチナと違って、熱伝導が良いシルバー素材の場合はレーザーやTig溶接といった器具を使ってこの傷を埋める事が出来ません。

キャストはワックス樹脂を石膏に埋め、石膏を焼く事でワックスが溶けて空間が出来ます。その空間に溶けた地金を流し込む事で形が作られます。

ただ、石膏を焼く過程や、溶けた地金や石膏型の温度、溶けた地金を流し込むタイミングなど、色んな要素が噛み合わないと傷の無い品物が出来上がりません。

教科書のような参考データはありますが、気温や湿度、流す地金の種類や品物の大きさ(塊)によって、この参考データを弄る必要があります。

さて、納期も迫っているので、慌てます・・・。新たにキャストをするにも、再度ワックスを削り、電気炉で半日以上焼いて・・・なんて、時間はありません。
今回は品物の大きさもそれ程大きく無かったので、地金板を削り出しで作る事に変更しました。穴を開け、旋盤に取付て穴を整形しつつ広げます。キャストした品物の小さな傷ですのでそのままお渡ししても判らないかもしれませんが、作り手側からするとこうした部分は後から心残りします。自分の中での及第点は下げたくありません。

キャスト失敗! リングを削り出しに変更

一度下磨きをしましたが、今回は傷無しです。
K18YGの薄板(0.5mm厚)を用意し、それにロウ付け。

K18YG板をロウ付け

K18板を整形して、最終磨きをすれば完成です。
キャスト傷が出た時には慌てましたが、予定通りにお渡しが出来ました。

ご依頼を有難うございました。

シルバー925/K18YGピンキーリング

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