デザインと強度のバランス
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今月の土曜営業日は、第二週目の9月13日です。
ご利用ください。
最近の修理から一つご紹介です。
この日記でも何度か取り上げているデザインですが、このデザインのリングは関心しません・・・。
リング幅がダイヤより狭く、尚且つ爪がリング部分の二箇所から迫り出す形で留まっているデザインです。
このデザイン、シンプルで綺麗なデザインではありますが、ダイヤが迫り出した部分が引っ掛かり、次第に石が緩む傾向が多く見られます。
当店でも、石留めを何度もして納めてはいます。
ところが、何度も石留めをしている事で、地金が薄くなったり、地金が加工硬化を起こしてその内に爪が折れてしまう事もあります。
その為に、この品物の場合は、天地方向に爪を足す修理をしました。
リングデザインによっては、リングの一部が爪に当たってしまう事もあるので、このように切り欠きを付けて逃げる場合もあります。
今回は爪足しだけで済ませましたが、可能ならば爪を外し赤で印をした部分にダイヤが乗る「腰」を付け足してやる事で爪の太さを細くする事が可能です。
爪足しだけの場合では、爪が長くなる為にある程度の太さが必要となるのです。
職人の立場から、出来るならばこうしたデザインのリングは選ばないのが良いと思うのですが、デザインに一工夫するだけで強度も上がりバランスが取れる良いデザインに変わるのです。