先日、水晶玉を使った時計バンドを付くって欲しいと言うお客様からのご依頼がありました。
水晶と言う素材と、時計バンドと言う品物の性質から、中を通す「糸」は透明でかつ強さが必要です。
この場合、当店では釣り糸を使うのですが、以前使っていたのでは弱そうな気がして久しぶりに釣具店へ行って探してみました。

実は、私は20年近く前になりますが、バスフィッシングのトーナメントに出場していた経験があります。

その頃からすると、ライン(釣り糸)も随分強くなっているだろうと・・・私が釣りをしていた頃も、「擦れに強い」を謳い文句に販売していた製品もあったので、そう言ったラインを探そうと思っていました。

店内に入りラインが並ぶ一角があったので、ソコを眺めてちょっと腕組みをして考え込んでしまいました・・・。
思っていたようなラインが無いのです。
今まで水晶珠を通す太さは釣り糸で言う「5号」を使っていました。
ゲージではかってみると、0.47mm程度でした。
店にはコレに合致する太さのラインが殆ど無いのです。
恐らく、以前よりも魚が賢くなり太いラインでは警戒されて釣れなくなった事と、もう一つは細いラインでも以前の太いラインと同じ程度の強度が確保出来るようにラインを作る技術が進んだ事で全体的な太さが細くなったのでしょう。
水晶を通す糸は細い分には簡単に通りますが、水晶の穴の大きさとの差があると綺麗に一列にならずガタガタと左右にズレてしまいます。

そして、もう一つ困ったのが、透明のラインが殆ど無い事。
私がトーナメントをしていた頃も、色付きのラインが沢山ありましたが、透明(薄いブルーなど)のもまだまだありました。
ところが、黒だったり、濃い緑だったりと透明な水晶を通す糸としては使えないものばかりでした。

透明でかつ、5号程度の太さのライン・・・バスフィッシング用、海釣り用など、アレコレ上の段から下の段まで探しまくって、何とか目的に合致する糸を見つけて買ってきました。

まあ、考えてみればこんな変な要求のお客はそうそう居ないでしょうね。
とりあえず、コレで仕事が出来てお客様へも納品が出来ました。(笑)