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今日は、地金の話です。
当店では、8種類6種類の地金を使っています。
ジュエリーで6種類と聞くと、エッ!そんなに多いの?・・・と思う方もいらっしゃるでしょう。
ところが、コレでもそんなに多くはないのです。
6種類の内訳は
プラチナ 1種類(Pt900)
K20PG(ピンクゴールド) 1種類
K18 1種類(現在は6:4の1種類です)
K18WG 2種類
シルバー925 (画像内にはありません)
です。
画像左から、Pt900 / K18WG(Pd パラジウム)/ K18WG(Ni ニッケル)/ K20(8:2)/ K18(55:45) / K18(6:4)/ K18(7:3)
数字と記号が並んで、何のことかサッパリ判らない方が多いでしょう。
コレは、混ぜ物の種類と比率の数字です。
K24(純金)に銀と銅を混ぜてK18にしています。
K24を100パーセントとした場合、K18は75パーセントがK24で残り25パーセントが銀と銅の割合となります。
この銀と銅の配分を変える事で、少しずつ色の変化が現れてきます。
銅の配分が多い2:8と呼んでいるK18は、一般的に「ピンクゴールド」と呼ばれる素材です。
そして、6:4と呼んでいるK18は、一般的に「イエローゴールド」と呼んでいる素材です。
更に2種類も多いのは何故?と思うかもしれません。
当店ではK18を素材にする際は、55:45と言う配分を使っています。
古くから5:5(五分五分)と呼ぶ銀と銅が等分のK18が、国内では多く使われてきました。
ただ、時代の流れから5:5では色が赤っぽい事から、最近では6:4が多く使われています。(6が銀、4が銅)
しかし、この素材は5:5から見た場合に柔らかいのです。
銀を多くすると柔らかく、銅を多くすると硬くなるのです。
6:4は加工はし易くなりますが強度に難点があるので、細い品物や薄い品物には使いづらい点があります。
その部分を埋める為に、当店では銀を少し少なめ、銅を少し多めにした55:45と言う配分を使っているのです。
もちろん、色は6:4と同じとはいきませんが、5:5よりは赤みが随分少なく、かつ硬さも5:5並なので強度から見ても十分です。
では、何故6:4よりも柔らかい7:3と言う素材があるのか?
この素材は、色がかなり白っぽくなりますので、上記の素材ではこの色が出せません。
この色を使う品物に限り、使う事があるのです。
K18WGに移りましょう。
ホワイトゴールドと呼ばれる素材ですが、どちらも一般的に使われています。
但し、硬さには違いがあります。
パラジウムは、プラチナの割金(混ぜ物)として使われている素材ですが、混ぜ物として使う分量では柔らかさが残ってしまいます。
一方、ニッケルですが、K18にした場合にはかなり硬くなります。
但し、ニッケルの場合には金属アレルギーにも挙げられる素材ですので、肌が敏感な方にはそのままでは使えません。
ニッケル割の場合、殆どメッキ(ロジウムメッキ)されています。(メッキした場合のアレルギーは、殆ど影響が出なくなります)
そして、色はニッケルを混ぜた場合は黄色みが残り、パラジウムを混ぜた場合にはガンメタ風な色に仕上がります。
WGの場合は、作る品物によって強度が要る製品にはニッケルを、手作りする部分が多い場合には硬さが柔らかいパラジウムをと使い分ける事になります。
最後に、プラチナです。
良く間違われる事が多いのですが、プラチナ=白金です。
文字に「金」があるからと言っても、ホワイトゴールドの事ではありません。
横道にそれてしまいました・・・
当店では、Pt900 ルテニウム割を使っています。
上記でも書きましたが、一般的にパラジウムが割金として使われる事が多いです。
ただ、コレも上記に記しましたが、プラチナに混ぜても柔らかいのです。
マリッジリングにはプラチナを選ばれる方が多いのですが、パラジウム割の場合は柔らかい為に傷が付きやすいのです。
ですから、少しでも硬い素材をと言うことから、当店ではルテニウム割を使っています。
他にもバネ材や一部のジュエリーでK14も数種類使っていますが、殆どが上記の8種類です。
デザインや用途や使う場所によって、素材を選ぶのもジュエリーの楽しみでもあり難しさでもあります。