只今、当店Web店内の「修理」のコンテンツをつくっています。
チビチビと仕事が終わった後に作っていますが、公開出来るまでもう暫くお待ち下さい。

さて、その一部をご紹介します。

ジュエリーの修理は、実は意外に大変なのです。
家電製品のように、パーツをそのまま交換してしまえば修理完了とはいきません。
言うならば、車の板金修理に似た感じでしょうか。
事故などで凹んでしまった車のボディの凹み具合は、一つとして同じものは無い筈です。
ですから、修理方法も予めどのように進めるか予定を立てて修理をしていくものだと想像します。
ジュエリーの修理も、壊れ方が様々です。
使い込まれて壊れたものなのか、事故で壊れてしまったものなのか、それとも、無理な力をかけてしまい壊してしまったものなのか・・・様々です。
出来る限り元の形に、そしてお客様のご要望に沿って修理をしていきます。

今日は、切れてしまったブレスレットの修理依頼が入りました。

品物を見ると、かなり使い込まれていて、中央のダイヤが入っているパーツとの接合部分の心材(針金)が磨り減って切れていました。
切れていないもう片方も切れる寸前になっていましたので、こちら側も修理する事にしました。(お客様とご相談の上、両方修理する事にしました)
まず、細く磨り減った針金を切り、残っている部分を削り取ります。
次に、新しい針金(この時は、K18の直径1mm針金を使用)の太さに合わせて、横から穴を開けていきます。
この穴開け、穴を開ける部分がデザインの関係で斜めになっています・・・斜め部分の穴開けは、横に滑りやすく穴が垂直に開けづらいのが難しいところです。
貫通したら、一度仮り組みをして様子をみます。
そして、ロー付け。
ダイヤは熱に強いのでそのままバーナーの炎を当ててロー付け出来ますが、出来るだけ短時間で付けてしまうようにします。
ロー付けが終わった後は、急冷は禁物・・・場合によっては、割れてしまう事もあります。

ロー付けの際に、念のため色が変色しないように薬剤を付けて炎を当てていますが、どうしても若干色が変わってしまいます。
そこで電解研磨をして、一皮剥いて元の地金の色を出します。
電解研磨が終わったところで、出っ張っている針金を削り取ります。
最後に、磨いて完成。

このように修理を進めているのが、ご理解頂けたでしょうか。