シルバー製のジッポーライターケースの修理のご依頼を頂きました。
蓋を締めた際にケースに隙間が空くのを修正して欲しいとのご希望です。
現状でコレ位の隙間が空いています。
まず、蝶番部分を外してみます。蝶番部分の修正をすれば隙間は埋まると思ったのですが・・・
アレレ・・・?ケースが斜めってる・・・。
反対側は、ちゃんと真っ直ぐなのに・・・。
これは困りました・・・。よく観察してみると、ケース全体が微妙に歪んでいるのです。ケースの中にサイズを合わせて削った木材を入れて修正をしてみましたが、完全に歪みは取れません。作られた時に歪んだまま組み上げたのが原因かと思われます。
お客様にこの事をお伝えして、完全に修正が出来ない可能性もあると連絡を入れて作業を再開。
ケースを少し削っては噛み合わせを見て、再度削っては様子を見る・・・。コレを繰り返してここまで修正をしました。前面にモチーフプレートがロウ付けされているのですが、片方を削り過ぎるとプレートが斜めに取り付けられているように見えてしまうので、ケースの傾きは完全に治せませんでしたがここでキリを付けました。
蝶番のパイプを取付ける作業に移ります。テープで上下を固定してパイプの溝を削っていきます。今回はケース横幅いっぱいまで蝶番部分を広げ、三分割タイプにします。
そして、蝶番のパイプをロウ付け。
全体を磨き、黒染めをした後に蝶番パイプの中に芯を通してカシメて出来上がりになります。
歪みが判った時には焦りましたが、噛み合わせは直せました。
ご依頼を有難うございました。
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