先日、当Web店舗をご覧になったお客様から電話にて「ピアスの金属アレルギー」に関してお問い合わせがありました。

「金属アレルギーなので、ピアスの金具をアレルギーの出ない物と交換出来るか?」

と言うお問い合わせでしたが、この件はベースの地金の種類によって改造が出来るかどうか変わります。


金属アレルギーは、金属が汗などの水分にイオン化して溶け込む事で起こります。
その人の体質によってアレルギーの出方に差が出てきてしまいますが、全ての人にアレルギーの出ない品物を作る方法はありません。
現代病の代表として挙げられる花粉症と同じように、解決方法が無いと言われています。
その中で、純プラチナや純金は比較的アレルギー反応が少ない素材ですが、とても柔らかい素材です。
ですから、そのままではピアスのピン(耳に刺す部分)の素材としては柔らかすぎて直ぐに曲がってしまい使い物になりません。(純プラチナや純金のジュエリーが少ないのも、コレが要因です)
これは一般的なジュエリー全般にも言える事ですが、解決方法としてこれらの地金に銀や銅などを混ぜて硬くしてPt900やK18などとして使用されています。
この混ぜる素材にイオン化しやすいものがあり、アレルギー反応として悪さをしてしまうのです。
イオン化しやすい素材として
ニッケル、コバルト、クロムなどが代表的です。
ちなみに、ニッケル、コバルト、クロム、亜鉛、マンガン、銅、銀、プラチナ、金、 チタンの順でアレルギー反応が弱くなります。(左に向かう程反応が強い)


話を改造に戻しますが、ピアスを改造する手順としては

1・・・ベース地金から、金具(ピン)を切り取る
2・・・アレルギーの少ない素材を使った金具をロー付けする
3・・・磨く

となります。
問題となるのが、2の「ロー付け」です。
ロー付けと言うのは、地金に混ぜ物をして融点(溶ける温度)を下げて地金より早く溶けさせ、かつ、地金に溶け込みやすくした素材を、溶着したい部分に置いて熱をかけて接合させる方法です。(一般的に、金ローは金を素材に、プラチナローはプラチナを主として作られています)
判りやすく言うと、溶接のような感じでしょうか。
ですから、バーナーで熱をかける事になります。
この熱をかける事で、例えば、ピアスのベースにエメラルドやオパールなどの熱に弱い石が使ってある場合には割れてしまったりするので、ロー付けが困難になります。
また、ベース素材が非貴金属のイミテーション(真鍮など)の場合は、金具とのロー付けの際に温度が高温になるので溶けてしまう事もあります。

もう1つの改造方法として「非貴金属を素材にした金具」を使う事です。
例えば、アレルギー対策用として「セラミック」や「チタン」の金具がメーカーから出ています。
コレを使えば、ほぼアレルギーが起こる可能性が無くなりますが、セラミック金具は熱をかけてロー付けする事が出来ませんので穴を開けて接着する事しか出来ません。

ただ、2つの方法いずれにしても、ベースの部分が耳に触れてしまうと折角金具を交換したのにアレルギーが消えない・・・とも、なりかねませんので、完全にアレルギーを防ぐには耳に触れないようにアレルギーの出ない板で覆うとかの工夫が必要かと思われます。