来月の土曜営業日は、12月5日です。
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今回も、IWCポルシェデザインの時計ベルトの金具修理です。
これまでもベルト金具の修理をしてきましたが、今回の修理箇所も同じベルト金具の繋ぎのパイプが外れていました。
ただ、今回は中央のパイプではなく、両サイドの片方。



この修理、正直申しますと躊躇しました。
と言うのも・・・

これまでこの日記内でも記載してきましたが、溶接方法をTig溶接で修理してきました。
チタン材との馴染みもよくて良い修理法だと思っていましたが、落とし穴がありました。
それは、一度溶接した部分は硬化してしまい、脆くなる事・・・。
ロー付けを検討した時もこの硬化の件で悩みましたが、ロー付けよりもその部分が溶ける事になるTig溶接の場合は、当然部材の温度が高くなります。
溶ける事で離れていた材料が溶け込んで溶接出きる訳ですが、その反面、溶けて再結晶化する時に結合が緩くなるんでしょう・・・脆くなります。
以前、修理をさせて頂いた際にこの事が起こり、溶接が出来上がった後にポッキリと折れてしまった事がありました。
そして、悪い事に、一度折れてしまった部分には再溶接が出来ない(アークが飛ばない)事で慌てた事があります。

この事から、やはりロー付けの方が良いという結論になり、当店でも新しいチタン材ロー付け溶接機を導入しました。
この修理代だけでは、溶接機の減価償却は全く出来なさそうですが・・・。

話を冒頭に戻しますが、躊躇したというのは、溶接部分にもう片方のパイプが残っていたからです。
通常のロー付けでも、片方にこうしてロー付けがされていると、熱を加えた際に外れてしまう可能性があるからです。
まして、経験の少ないチタンのロー付けですので・・・それで躊躇したと言う事です。
幸いにも、ロー付けをする際に、この距離では熱が回らないようで無事にロー付け完了。



ロー付けの場合、このようにロー付け部分が真っ黒になります。
このカーボンを取り除いて、ヤスリではみ出たロー材を削り取りサンドブラストをかけて艶消しにします。

ちなみに、このロー付けの際には、外れてしまったパイプは使いません。
使えない訳ではありませんが、新しい物に置き換えた方がロー付けの馴染みが良いからです。
パイプは、6mmのチタン棒から削り出しで作っています。



これで出来上がりですが、艶消しもオリジナルのようには仕上がらない事もあります・・・この点は、ご了承いただきたいと思ってます・・・。(現在もブラストの粒度を変えてテストを繰り返しています)


そう言えば今回のベルト、ベルトの繋ぎ方がこれまでと違ってました。



これまでは左右で別の棒がバネで動く構造になっていましたが、今回は針金が貫通する構造でした。
コレも独立した構造の時と同じく、固着していたら・・・ヒヤヒヤしましたが、何とかすんなりと抜けてくれてホッとしました。




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