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今回は少し作業難易度が高い修理のご紹介です。

関東からのお客様で、他店で修理不可能と返品になりました品物です。
品物は、ライフルの弾丸の形状のペンダントです。
このペンダントの先の部分が折れて無くなっていました。
この無くなった部分を作る修理と、ネックレスが通るバチカン部が薄くなっていたのでこの作り替えが修理内容です。

当店でテストさせて頂きましたが、K10もしくはK9のようです。
当店ではK14までしか地金がありませんので、K14で本体とバチカンを作り、先の部分はK20ピンクゴールドで作る事にしました。

今回の修理、何が大変かと言いますと、中に地金の詰め物がされていて、その固定に「半田」が使われている事です。
この半田、どなたでも簡単に金属を固定する事が出来る素材ではありますが、ジュエリーに使われているロー材よりも溶ける温度が低く、またロー材で溶接するよりも強度が弱い事が難点でもあります。
この半田が使われている事が、他店での修理を断られた理由です。

どのように修理をするか検討しましたが、折れた部分の板の厚みが非常に薄く、このまま先だけ取り付ける事が出来ません。
根元部は厚みがありましたので、ココを少し残し、少し太めの筒を被せるようにして本体に取り付ける事としました。
また、お客様に了解を得まして、取り付けには半田を使う事としました。(被せて取り付ける事から、強度は得られるとの判断です)

ところが、作業中にこの被せようとしていた部分も折れてしまいました・・・。
本体の板厚が思っていた以上に薄く、くびれの部分から折れてしまったのです。

残ったくびれの部分もカットして、最後は本体だけになりましたが、ココにくびれ部も作りなおして付ける事としました。
ただ、半田固定では強度が得られないので、Tig溶接機によるスポット溶接に切り替えました。

弾丸の先のK20PGの部分、くびれ部分までを先にロー付けで溶接し、ここまでを先に作ります。
この後、ロー付けも内部に半田が使われているので出来ませんし、半田付けでは強度が出ないので、Tig溶接をしました。
Tig溶接はアーク溶接の一種で、部分的に地金を溶かして溶接する方法です。

この方法で溶接していきましたが、K10との相性が悪いようで、上手く溶接が出来ません・・・地金が完全に溶け込むより、少し荒れた感じにしか溶けませんでした・・・。
また、ココでも薄い部分があり、本体の一部に穴が開いたりして、その穴の補修にも手間取ってしまいました。
最終的には、この穴補修の跡が残ってしまい、お客様には申し訳ないと思います・・・が、コレ以上作業をするよりは、本体全部を作り替えてしまった方が作業も金額も安くなると思いまして、この状態での納品とさせて頂きました。

最後にバチカンを作り替えて取りつけ、全体を磨いて完成です。

このような他店で出来なかった修理の他、オーダーやリフォームのご依頼やお問い合わせもお待ちしております。



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